東京都自然環境保全審議会委員の皆様へ



謹 啓

 平素より自然環境保護に際し、東京オオタカ保護連絡会(以下オオタカ保護連と記載)の活動に対し、格別のご高配を賜りありがとうございます。
 さて本日、突然審議会委員の皆様にお手紙を差し上げましたのは、昨年来審議会で議案となっております、開発規制平成13年度議案第2号「山一土地株式会社による永山北部丘陵住宅地開発地事業」の審議におきまして、さきの1月21日に開かれました規制部会において配布されました資料4(3)の記載につきまして、重大な誤解を生ずるような表現が使われており、オオタカ保護連として事業者である山一土地株式会社ならびに東京都に対し抗議と、文書による訂正の要望を申し入れをした件、並びにその経緯をご承知していただき審議にあたっていただきたいとの意図からです。

 添付いたしました書面の通り、審議会資料にあった件の見解については一致しましたものの、問題の文書が公式な委員会の文書で提出されたものであり、次回までに正式な文書による訂正を求めていることに対しては、東京都及び山一土地株式会社は口頭による説明に限るといっております。
 ここに至って正式な文書による訂正を求めておりますのは、昨年6月26日の規制部会において、6月14日、18日の2回にわたる専門家による検討を受けて、山一土地株式会社オオタカに関する見解の報告に際し、オオタカ保護連との5項目の合意事項を、そのまま提出すると約束しておきながら、口頭で読み上げるにとどまり、その結果一部表現が、違って報告された経緯があります。
 それに対しても、山一土地株式会社、東京都に対し厳重な抗議をした経緯があります。
 従いまして今回も、書面によって審議会に提出を求めましたが東京都によってその件は聞き入れられませんので、オオタカ保護連としては直接審議委員の皆様にこの間の経緯をを送らさせていただきます。

 またこの書面を持ちまして、オオタカの保護方策の現状をご報告させていただきます。本来ならば審議会並びに部会において、都あるいは事業者からのオオタカの保護方策の進捗状況について報告がなされるべきものですが、これまで開かれた審議会あるいは部会での報告では不十分と判断し、ここに付記させていただくこととしました。

 本事業計画にかかわるオオタカの保護方策については、昨年6月規制部会において事業者の方針として、専門家及び地元市民団体で構成したオオタカ保護方策検討会(以下、検討会)の早期設置を確約いたしました。しかしながら、検討会の委員の選定もままならず、現在に至るまで検討会は開催のめどは立っておりません。
 私共オオタカ保護連におきましても、事業者が検討会開催の方針を理解し、合同調査参加や検討会委員選定に対しても協力して参りました。しかしながら上記のような経緯もありまして、正式な検討会参加要請に対しても留保しております。

 オオタカの今年の営巣期に入り数ヶ月が経つ現在に至っても、専門家の充分な議論もなされないままオオタカの調査だけが継続しています。オオタカ保護連としましては、ひきつづき検討会の早期開催を求めていきますが、検討会開催のおりには、きちんとした専門家の議論を経た調査方法に基づいた最低2営巣期の調査を求めていく所存です。
 
 審議会委員の皆様には、東京都の「東京における自然の保護と回復に関する条例」ならびに、環境省の「猛禽類保護の進め方」の原則に則ってご判断いただきたく、お願い申し上げます。

                                                                  敬 具


2003年3月6日
東京オオタカ保護連絡会
代表  尾 崎 洋

同 封 資 料
1. 山一土地株式会社に対する抗議と要望
2. 山一土地株式会社よりの回答文
3. 東京都に対する抗議と要望
4. 東京都よりの回答文


back


Copyright(c)2003,Tokyo OOTAKA protection liaison committee. All rights reserved